HP


HP     Profile     Gallery 

2012/09/22

水とダイアモンド(43) 小さき者

山に入って道を歩いていて、川の音に聞き入っていると耳の辺りから何かが一つぽとりと落ちていく感じがする。
次に呼吸を意識して大きく辺りの風を吸い込むと何処かの毛穴からスーと何かが抜けていく、今度は目を凝らして太い木の先端を眺めていると、頭の頂上から天空の青に何かが吸い取られていく、たまらなくなって唄を静かに歌うと山の斜面に声が溶け込んでいく。
身体のあらゆるところから、放出される何かが周りに溶け込んで、
懐かしくなるが、自身は小さな存在としてそこにたたずむ。