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2011/11/28

お知らせ

7月7日から始めたブログの更新を一時休止します。
12月8日から11日までパリのルーブル美術館内”カルセール・ルーブル”で
行なわれるソシエテ・ナショナル・ボザール主催のカルーセル・ルーブル展に出展する為パリに行ってきます。
会場では流水紋を合計9枚と水神を展示します。

コンセプトは「水に意識を向けよう」で「水の国日本」をアピールしてきます。
水に意識を向けると、水の大切さ、水の有り難さ、
水への感謝が芽生えてきます。

この地球が永遠に豊かでありますようにと祈念できる人々と、
共感してまいります。帰国したら報告とあわせてブログを再開いたします。

2011/11/25

日本の水 (3)

日本人は水に関して次のような言葉を使っていた。
「水に気をつけて」「水が合わない・・・」
「やっと水がなじんできた・・・」
「やはり水のせいだったんだ・・・」
これ等は出身地を表す言葉や、出張する時に送る言葉、
故郷を離れて暮らす人への気遣い等に、50年ほど前には日本中で普通に使われていた言葉です。

何か原因がわからないような場合にそこの気候風土を総称して
「水」という言葉で表す習性があった。
このような表現は日本人のデリカシーと大雑把を良く表しているように思います。

そういう意味においても水は繊細さと大胆さを併せ持っています。
水の特徴を良く表していますね。
水の国日本の国民なら、水に習って、繊細さと大らかさを兼ね備えた人間を表現していったら良いのではと思うのですが、どうでしょう?

水のような人柄・水のような生き方をイメージしてみよう。

2011/11/21

日本の水 (2)

わが国にはこの水でなければならないという物がある。
水にこだわってこそ出来上がった物や文化が沢山ある。
日本酒・和紙・日本料理・寿司・豆腐・茶道・剣工等と多岐にわたる。

もっと細かくいえばお米やお花や野菜まで、
そこの水だからできる味の違い色の違いが特徴となる。
越前の和紙。灘の日本酒。富山の花。
京都の会席料理も水の特徴に大きく影響を受けている。

また水そのものが文化になっている土地がある。
熊本県熊本市・愛媛県西条市・島根県松江市・岩手県平泉市など全国に天然の水の恩恵を受け、暮らしと水が一体となっている所が多い。

当然の成り行きとして水を良く観察し水の特徴を知り、
人々の生き方の手本としてきた。
それはごく自然に水を生かすこと、水に生かされることにつながり、
自己の生き方にまで及んできたのだろう。
それは時代の移り変わりに影響されない本質だから普遍的な価値として、これからも大切にしていかなければならない。

2011/11/18

日本の水 (1)

日本人には生き方を水に求める癖がある。
人生を川の流れにたとえた歌謡曲がある。
文学には「方丈記」がある。
戦国武将「黒田如水」は名前につけた。
仏教も教えの言葉として水の本性を用いた。

ここに「水の五訓」がある。
これは額装されて家々に掲げられている。
1、 水から活動して他を動かしむるは水なり。
2、 常に自己の進路を求めて止まざるは水なり。
3、 障碍にあい、激してその勢いを百倍し得るは水なり。
4、 自ら清くして、他の汚れを洗うは水なり。
5、 洋々として大洋を満たし、発しては蒸気となり、雲となり、雨となり、
雪と変じ、霧と化し、凝しては玲瓏たる鏡となりて、しかもその本性を失わざるは水なり。

2011/11/14

タオの水 (10)

タオは自然界を永遠なものにしようとする無作為の働きである。
その働きを良く表しているのが水である。

その水は日本のように水に恵まれているところでは、
ほとんど水に感心が向かない。従って水の働き、
水の有り難さなど気にかけないし、あって当然なものとさえ思っている。

あえて水のことを言うと、知識としてとらえようとする。
それでは水と近くはなれない。
水が我々人々の生き方の手本を表しているよと言っても信じてくれない。

35億年間水は変わらず今も35億年前の水を保っている。
それはいのちを永遠に生かすことである。 
人も永遠ないのちを希求している。
一時間・一日でもながく生きていたいと望むものは生き物の当然の欲求である。
それを水に習うとすればいのちを循環させることだろう。
水はその時その場所で状況に応じて己を適応させ、姿・形を変え存在し、
天と地の間を循環し、己を浄化して生きながらえている。
人も自己のいのちを循環させる為に水に意識を向けてみよう。

水を飲むときコップの中の水に。水道から流れてくる水に。
お風呂に入った時に肌にまつわる水に。川を流れている水に。
天から落ちてくる雨に。意識を向けてみよう。何かが変わるはずだ。 
人は姿・形を変えることはできないが、気持や状態を変えることはできる。
それにはどう意識するかで変われる。

2011/11/07

タオの水 (9)

水は自らの存在を誇示しない。
どこに居るのかわからないようで、どこかに必ず存在している。
そしてそこで水本来の働きをしている。
それを「水は水の真実を行なっている」と言う。
それに対して人は人の真実を行なっているかと問われると、
かなり違った方向に向っているように思える。

人の真実って・・・?
人の原点を考えてみよう。
人は何故存在しているのか?人類は何故あるのか?

人にはそれぞれ本来の力を与えられている。
その力を発揮するには水のように自由でなければならない。
決して争わず、自由で、己の進む道をひたすら求めて行く。
己と自然の在り方を共生させるといい。
己の中にあるものに自信を持とう。

2011/11/04

タオの水 (8)

水の特性は「何が何でも生かそう」とする働きにあります。
自然界の営みは「種の保存」で秩序を保っています。
これは地球という生命体が命を永遠に生かし続けようという意志の現れでしょう。

それぞれの物質はいまを生きて、死に至りますが、
その結果の死が他を生かす元になっている。
いのちの循環が永遠のいのちに繋がる。
それぞれの無作為の行為がいのちを生かす働きとなって未来に貢献している。
水の働きの中にその「徳」(他のいのちを生かす行為)を見つけることができる。

「徳」こそ生きるものにとっての最高の行いです。
天と地の間にあって水と人は「徳」で結ばれている。
「徳」特に「陰徳」を積む行いが美しい。




命を生む水、雨が降り注ぐ Photo:Yu Nozaki