HP


HP     Profile     Gallery 

2011/08/29

和紙と水


日本の文化に欠かせないものの一つに和紙がある。
書き残す材料として、物を包む材料として、形をつくる材料として、
また壁紙や障子紙として各地で生産されてきた。

パルプでつくる洋紙と違い繊維が長いので、
薄くても強く長持ちする特徴がある。
和紙の材料として楮・三椏・雁皮などが使われるが、
それらの材料もさることながら、水が重要な役割りをもっている。

水は和紙の質を左右するため職人さんは水質を大切にする。
それぞれが裏山から流れてくる伏流水を確保していて、
代々それを守り続けている。

カルシウム・マグネシウムを含まない軟水が柔らかい質感を表現でき、
また密度を高めるために水の温度も大切です。
水道に含まれる塩素は和紙独特の粘りが出ないので使われません。

人間国宝である岩野市兵衛さんが作った和紙は絹のような手触りで、
上品で品格が漂よってきます。
300年受け継がれてきた伝統の和紙は紙だけで芸術品です。

市兵衛さん曰く「水です。この水がなくなったら私の和紙作りはおしまいです」には水への愛着とこだわりの重みがあります。